ノロウイルスにかかった子供の入院体験記

B!

息子(1歳1ヶ月)がノロウイルスにかかった時の記録。

ノロウイルスにかかるとどうなるのか。発症から入院、退院までに起きた事と、入院時の準備物や消毒方法などの対応をまとめました。

いつ誰がかかってもおかしくないので、参考になるかもしれません。

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ノロウイルス発症1日目 命の危険 

15:30 保育園からお迎え要請

保育園から会社に連絡が入る。息子が昼寝の途中で起きて、何度か吐いたらしい。病院に連れて行った方がいいと思うので迎えに来れるかと。

 

保育園に通うようになってから病気続きだったので、「またか」という気持ちが半分。

しかし、「病院に連れて行った方がいい」とまで言われるのは初めてだったので不安になる。

 

上司に事情を話してすぐに保育園へ向かうが、電車の乗り継ぎ待ちをしている最中に保育園から催促の電話が入る。そんなに状況が悪いのか?

16:15 ただ事ではない息子の様子

保育園に着いて目に入ってきたのは、涙目で力なく椅子にもたれ掛かっている息子の姿だった。元々色白な顔がさらに白く、唇も青ざめている。

 

普段ならお迎えの時は泣きながらすり寄って来るが、うな垂れて動こうとしない。思っていた以上に病状が良くなかった。

 

さらに目を疑ったのが、同じように吐いている子がもう1人。そして周りには他の園児もいる。

保育士は素手で嘔吐物を処理。そんな対応でいいのか?と思いつつ、手早く帰り仕度をする。

 

とにかく一刻も早く病院に連れていかなければならない。幸い、自宅は近い。急いで帰って車で行けば、掛かり付けの病院の診察時間に間に合うだろう。

 

肩に顔を預けてぼーっとしたままの息子を抱え、家路を急ぐ。

16:25 ワンオペで窒息寸前

自宅に到着。準備の為に息子を昼寝布団の上に寝かせるが、僅かに目を離した隙に嘔吐。

 

口に収まりきらなかったのか、それとも勢いが強すぎるのか、鼻からも噴き出している。窒息してしまうと思い、咄嗟に抱き起こした。

 

布団や床を汚してしまったが、念入りに片付けているような時間はない。服が汚れたので着替えさせないといけないが、焦ってうまくいかない。

 

やっとの思いで支度を終え、息子を後部座席のチャイルドシートに乗せて病院へ向かう。信号の1つ1つがやけに長く感じて落ち着かない。

病院手前の交差点で信号待ちをしている間に、気付けばまた息子が吐いていた。

 

チャイルドシートで固定されている上、動く力がないのか、ただただ嘔吐物が口内に溜まっていく。

窒息してしまいそうだが、運転中ですぐに助けに行けない。慌てて路側帯に停車する。

 

息子の身体を起こし、口を拭い、呼吸をしている事に安堵する。病院はもう見えているが、吐く間隔が短すぎて息子から目を離していられない。

 

ここにきて、妻への連絡をメールだけにしていたのを悔やんだ。会社へ連絡していれば、すぐに帰宅できていて、息子の様子を見てもらいながら移動できていた筈だ。

 

自分の判断の甘さに苛立ちを覚えるが、注意を払いながら移動するしかない。信号が青になるのを見計らって素早く交差点を抜け、病院へ転がり込んだ。

 

大げさではなく、一歩間違っていたら息子は死んでいたかもしれない。

16:45 ノロウイルス確定

熱はないが、依然息子はぐったりしている。

 

小児科の先生によると、アデノウイルスか、ロタウイルスか、ノロウイルスが疑わしいという。点滴を打ちながら検査結果を待つ。

 

結果がでた。ノロウイルスだ。ノロウイルスの潜伏期間は1〜2日。状況からして感染経路は保育園くらいしかない。

保育園の衛生状況が悪いのか、どこかの親が体調不良のまま子供を預けたのか、そんな事を考えてしまう

 

今振り返ると、この時の先生の判断には感謝しかない。脱水症状が危ないので入院した方が良いという事で、総合病院へ連絡しつつ紹介状を用意してくれた。

もしこの時、「自宅で様子を見ましょう。」なんて判断を下されていたらどうなっていたかわからない。

18:00 初めての入院

妻と合流し総合病院へ。総合病院でも診察が必要だそうだが、待ち時間が長い。時間外で患者は1人も見当たらないが、何に時間がかかっているんだろう。

 

しばらく待って診察してくれたのはNICUの先生。事前連絡と紹介状で既にノロウイルスと判明しているため、ビニール手袋やマスク、エプロンなどの重装備。

 

身長体重測って、問診と触診、血液検査。点滴を固定する処理のため、息子は別室に連れていかれる。

 

奥から息子の泣き声が聞こえてきた。処置が終わり、点滴を引きずって出てくるが、包帯を巻いて固定している腕が痛々しい。やるせなさを感じる。

 

さらにレントゲンを撮ってようやく病室へたどり着く。感染症なのでトイレ付きの個室を用意されたが、隔離処置に近いため別料金は取られなかった。

19:30 入院準備に手間取る

何も用意せず入院したので、準備の為に1度帰宅。妻は運転できないので、付き添いでそのまま病院に。

 

付き添いの条件は、健康な親。体調を崩すわけにはいかないが、既に発症後、濃厚接触してしまっている。大丈夫だろうか。

 

油断したら感染してしまうので、マスクを着用し、接するときは病室備え付けのゴム手袋越し。

念の為、事あるごとに手洗いし、手を拭くのもペーパータオルと徹底。これから注意していくしかない。

 

入院にあたって用意したものは次の通り。

自前で用意したもの
  • 着替え
  • スマホの充電器
  • 石鹸・シャンプー
  • タオル
  • おしりふき
  • オムツ
  • 粉ミルクなど授乳用品
  • ストロー
  • 割り箸
  • 紙コップ
  • ティッシュ
  • スリッパ
  • マスク
  • ノロウイルス用消毒液
  • 飲食物
  • 印鑑
病院で用意したもの
  • ゴム手袋
  • ペーパータオル
  • ビニール袋
  • 子供の入院着

不意の入院かつ短時間での用意な上、足りないものを追加購入するなど、かなり大変だった。

準備してて思ったが、家のどこに何が置いてあるか把握してない人だと、入院の準備もおぼつかないんじゃないか。

 

病院でも粉ミルクや離乳食を頼めるが、値段が高く、1食460円。回復するまで固形が食べられないので授乳用品を用意した。

また、病院に持っていくものは、最悪捨ててもいい物をなるべく選んだ。印鑑は入退院の手続き時に必要になる。入院着は、1着100円もしなかったので借りることにした。

 

大荷物を引っ提げて病院に戻る。不在の間に主治医が来て、血液検査でも特に問題無いことを説明していったらしい。

ノロウイルスに特効薬はない為、この後は経過観察しながら回復に努めることになる。

 

普通に水分を取っても良いということなので、持参したパックの麦茶を息子に飲ませる。普段はあまり飲まないが、一気飲みした。それだけ乾いていたという事なんだろう。

 

取りあえずは回復してきているようで安心する。普段、うるさく動き回る息子に疲れることもあるが、病気になる位なら騒がしくて良いと思った。

0:30 自宅の消毒

妻と息子を病院に残し、自宅の片付けをする為に帰宅。

汚れていた絨毯や床、車内、当日着ていた服をひたすら消毒、消毒、消毒。捨てても良いものは容赦無く廃棄。消毒方法を調べながらの為時間がかかる。

 

行った消毒方法はこんな感じ。

実施した消毒と片付け
  • 高濃度に希釈したキッチンハイターを嘔吐した箇所にかける
  • 低濃度に希釈したキッチンハイターを怪しい場所にかける
  • 消毒液や熱湯で消毒した後、服を洗濯
  • 汚れた布団や服は、捨てても良いなら思い切って捨てる

 

※水500mlにハイター10mlで高濃度(1000ppm)、ハイター2mlで低濃度(200ppm)。ペットボトルのキャップは約5ml。(原液濃度5%の場合)

加えて自分の食事や風呂、洗濯などをこなし、結局寝たのは4時を回っていた

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ノロウイルス発症2日目 ひたすらオムツ交換と消毒

朝・晩と物資の補給に病院と自宅を行ったり来たり。昼と夜中は病院に缶詰。とにかくやることと言ったら、消毒とオムツ交換の繰り返し。

 

特に下痢が収まる気配がなく、どうしてもオムツから漏れることがあるので、その度ナースコールで病衣と寝具を取り替えてもらう。病衣はレンタルにしておいて良かった。自前で用意していたら幾つあっても足りない。

 

辛かったのは、自分が感染しないよう気を張り続けなければいけないのと、夜中もオムツ交換で起こされる事。

生後数ヶ月頃の記憶が蘇ってくる。ただでさえ寝付きにくい環境なのに体力が奪われていく。

 

病院の浴室で息子にシャワーを浴びさせるのも地味にきつかった。用意されているゴム長靴が小さく、常に爪先立ちで空気椅子。

その上、感染性の病気でシャワーの順番が最後だから、前の人の熱気で蒸し風呂状態。自分がシャワーを浴びたかのように汗だくに。

 

何がいけないかって、自分の靴のサイズが30cmで大きすぎるところ。病院側もそんなでかいの用意していない。

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ノロウイルス発症3日目 おしりかぶれに泣く

3日目には息子の食欲も戻ってきて、固形物を食べられるようになってきた。お腹を下している以外は大分調子を取り戻している。基本的には食事が取れるようになったら退院できるらしい。

 

食べ残しや食器からも感染する可能性がある為、食べ終わった後は担当者が取りに来て、ポリ袋に入れるなどして処理される。

 

下痢の繰り返しによるお尻かぶれで、オムツ交換のとき暴れるようになってきた。

ただでさえ厳しいノロ時のオムツ交換がさらにハードモードに。看護師さんに薬(アズノール軟膏)を持ってきてもらう。

 

初日にあれだけ接触したにも関わらず、両親ともに感染はしていない。このまま感染せずに退院できればいいのだが。

ノロウイルス発症4日目 まさかの感染

朝の検診で退院許可が出た。やっと息子の腕から点滴が抜かれる。

 

退院の準備をするが、自分の体調が良くない気がする。体がだるく、熱っぽさを感じるが、測ってみると熱はない。まさかと思った次の瞬間、胃から込み上げてきてトイレに直行。

 

やはりノロウイルスか。脱水症状を防ぐ為にと飲んだポカリもすぐに吐いてしまう。そして腹も下ってくる。

吐くべきかトイレに座るべきか、判断に迷うほど同時に襲ってくる。二日酔いを凶悪にした感じで歩くのも辛い。図らずも、息子の症状を追体験することになった。

 

妻のすすめで退院前に診察を受けるが、診察待ちの間も待っていられず1度トイレへ。

 

ようやく医師にかかるが「検査するまでもなくノロウイルスでしょう」という判断。

 

1時間点滴を受けるが、全く楽にならない。精算待ちの間にもまたトイレへ。病室に戻る際も、危うく途中で吐き散らかすところだった。

 

ロクに動けないので妻に薬を取りに行ってもらい、よろめきながら退院。

帰宅しても最早全員が限界なので片付けは後回し。幸い、半日横になって何とか動けるように。

 

息子が本調子に戻るまでは、退院からさらに1週間かかった。

ノロウイルス所感 治るまでとにかく耐えるしかない

ノロウイルスは、治療薬がなく対症療法で回復を待つしかないのが辛い。さらに、乳幼児で怖いのは嘔吐による窒息と脱水症状。下痢も続くので、お尻がかぶれてしまうと悲惨。

 

嘔吐した箇所は勿論、接触した家具や衣服の消毒も大変だった。あらゆるものと直接接触を断つくらいの意識でないと感染する。

 

ノロウイルスの排出は一般に2週間、長くて1ヶ月続くという。それは「動けるようになった=感染しない」では無いという事。

他の家族に感染る場合もあるので、特にトイレ周りの消毒は長期間続けなければ安心できない。

 

よく「お腹の風邪」という表現をするが、それは胃腸炎のことを指している。お腹の風邪なら大丈夫と思っている保護者は一定数いる筈だ。

今回のように、検査してみるとノロウイルス感染症やロタウイルス感染症である事も多いらしい。

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