drumstick-grip

ドラムは、音を出すだけならまったく難しくありませんが、1ランク上のドラミングをする為にはちょっとしたコツが必要になります。

もし、最近伸び悩んでいるのであれば、スティックの持ち方を見直すことで、出来なかった演奏ができるようになるかもしれません。

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マッチドグリップの使い分けとは

多くの教則本やDVDで、マッチドグリップは3種類使い分けるとされていますが、それは一体どういう事なのでしょうか。

よく目にする説明は次のような内容です。

 

【マッチドグリップの持ち方3種類】

・ジャーマングリップ(手の甲が上を向く)

ジャーマングリップの画像
ジャーマングリップ

手首の可動範囲が広くパワーを出しやすい。

 

・フレンチグリップ(親指が上になる)

フレンチグリップの画像
フレンチグリップ

スティックをコントロールしやすく、繊細な表現に向いている。手首の可動範囲が狭い。

 

・アメリカングリップ(ジャーマンとフレンチの中間)

アメリカングリップの画像
アメリカングリップ

ジャーマンとフレンチ、両方の利点を持つ。初心者でも扱いやすいグリップ。

これらのグリップを1つに決めるのではなく、欲しい音色や楽器の位置、状況に応じて使い分ける。以上。

 

非常に多く目にする内容ですが、これだけでは説明が不足しています(それどころか、手首の可動範囲というワードが誤解を招いています。)

 

なぜジャーマンだと力強く、アメリカンは中間、フレンチは繊細とされているのか?

それは、グリップを変える=指の当たり方を変えることで、音質やスティックの跳ね返り(リバウンド)も変わるからです。

手首を動かしやすいからパワーが出るわけではありません。

これに気付かなければ、見た目でグリップが変わっていても、演奏は変わっていないかもしれません。

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形だけなぞってもうまくいかない

ジャーマン・アメリカン・フレンチといった形だけを真似しても、スティックを握り締めていては同じような音しか鳴りませんし、速度も上がりません

実際私も、ドラムを始めた頃に教則本を見て形だけ真似して、なるべく手首だけで叩くものと思い込んで上手くいかず悩みました。

手の向きや角度の違いだけで演奏しようとすると様々な弊害が生じます。

次のような悩みを抱えているドラマーは多いのではないでしょうか。

ドラマーのよくある悩み
・音の強弱や音色の変化が乏しく、単調な演奏になる
速いテンポに対応できない
・すぐ腕の筋肉がパンパンになる
手首を痛めやすい、下手したら腱鞘炎
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スティックをどれだけ持つか意識する

これらの悩みを解決し、スピードや表現力を上げる方法の1つが、スティックをどんな風にどれだけ持つか意識することです。

スティックに触れている手指のコントロールは、そのままスティックの動きや音のコントロールに繋がっています。

力まないことでスピードがアップする

例えば、ボールを壁や地面に投げると跳ね返ってきますが、持ち続けたまま地面に叩きつけると戻ってきませんよね。

ドラムスティックも、打面を叩くと跳ね返って戻ってきますが、握り締め続けると戻ってきません。

叩いた瞬間には力が抜けていて、スティックの動きを邪魔しなければ綺麗に跳ね返ってきます。

リバウンドのエネルギーをプラスする事で、スティックを必死に振り上げる必要もなくなり、スピードアップと共に演奏も楽になります。

握り具合で音をコントロールする

今度は、鉄球とゴムボールをイメージしてください。

鉄球のような中身の詰まった硬いものが、壁や地面にぶつかったらどんな音が鳴るでしょうか。逆に柔らかいゴムボールだったら?

そしてぶつかるスピードが速かったり、遅かったりしたら音はどう変わるでしょうか。

 

ドラムも同じようなイメージで、指を閉じてスティックに触れている(中身が詰まっている)状態で叩くと強く硬い音が鳴ります。

逆に、指を開いて殆どスティックに触れていない状態で叩くと、優しく柔らかい音が出ます。

(前者はジャーマングリップ、後者はフレンチグリップだとやりやすいので、力強いとか繊細という分類はここからきているのだと思います。)

 

そして、柔らくてもぶつかるスピードが速ければ大きい音が、硬い物でもスピードが遅ければ小さい音が鳴ります。

ゴムボールでも、高速でぶつかると弾けるような音がしますよね

これらの音の変化については、タムで試してみるとわかりやすいです。

 

こういった音の強弱や音質をコントロールできることが、単調な演奏から脱却する第一歩になります。

まとめ

ジャーマン・アメリカン・フレンチのグリップは、それぞれの目的にあった動きをしやすい構えと言えます。

しかし指が固まったままだと、どのグリップを使おうと強い音だけになりがちです。特に、弱く優しい音とスピードの両立は難しいです。

剛柔・緩急織り交ぜた演奏を無理なく行うには、スティックに触れている手指のコントロール=スティックのコントロールが肝となります。